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サヌキノススメ第9回 その2『一閑張屋(一閑張、一貫張)』

 

お昼ごはんとより道をはさんで、丸亀市の飯山へ。

お腹も満たされ買い物でも満たされてから訪れたのは、

今回のもうひとつの見学先である「一閑張屋(いっかんばりや)」さん!

香川県の伝統的工芸品である『一閑張、一貫張』の現在唯一の伝統工芸士・宇野雄三さんをたずねました。

 

一閑張屋という名前は宇野さんが作る一閑張の商品名みたいなもの。

「民芸城山」という民芸品屋さんも営んでいて、そちらが会社名にもなっています。

 

 

手前にそびえる大きな建物。こちらが民芸城山さんなんです!

お客さまからは「大きいわねえ」と感嘆の声が。大きいですよねえ。

 

一閑張の元・工場だったこともあって敷地は広大で、しかも!こんな建物が全部で3棟もあります・・・!

建物の一部をご案内してもらいましたので後ほど〜。

 

 

出入口はこのようになっております。

石の階段を上がって、学校の体育館を思い出す大きな扉を引いた先には。

 

 

広々とした空間が!!

 

以前は坂出で「民芸城山」として独立した店舗を持っていた宇野さん。

数年前にご家族のお家を建てるために店じまいをして、一閑張などの製作をする作業場だったこの場所へと移転しました。

そのため日本全国の民芸品が集められていて、眺めるのも楽しかったですよ。

 

では「一閑張」についてご説明します。

 

 

一閑張はぜひ一度、実際に手で持ってほしい伝統工芸品です。

色からは重厚感が伝わってくると思うんですが、骨部分が竹だと持ってみると拍子抜けするほど軽いんですよ。

なにせ、もともとは竹と紙とノリだけ。

しかも紙なのに一閑張は水洗いできちゃいます。

 

宇野さんが使っている和紙は土佐(高知)の手すき和紙。

その手すき和紙と、接着、防水効果のある柿渋をふくんだノリを何度も何度も重ねていくので元が紙でも丈夫ですし、

水にも耐えられるというわけです。

ただし水に長い時間つけっぱなしはいけません。漆器と同じです。

 

 

宇野さんが作る一閑張の大きなポイントその1は

最後の作業として「泥染め」すること。

 

名前のとおり泥で染める方法ですが、こちらの詳細は企業秘密。

泥染めしているからこそ柿渋本来の色である茶色だけでなく、艷やかな黒と茶色のコントラストがあらわれているんですね。

 

 

ポイントその2は、全国にある一般的な一閑張の骨部分が竹や木の小物であるのに対して、

宇野さんはこーんな大物まで一閑張してしまうということです!

 

 

お嫁入り道具の鏡付きタンスをビフォーアフター!

 

 

じゃ〜ん。こちらが宇野さんが手をかけて生まれ変わったタンスです。

内側もふくめて全面に一閑張をほどこし、取っ手部分もリニューアル。

もともと傷んでいた所は宇野さんが修理もしました。

さらに付け足すと、取っ手部分は1から作りました!

 

 

こちらは別の棚の正面です。一閑張をほどこしています。

上のタンスもこの棚も、色がついているのは柿渋に顔料を混ぜてあるためです。

 

注目していただきたいのは金具の部分。

タンスと同じで、宇野さんが作り上げたものなのです!

 

 

宇野さんは元々は愛媛県今治市の出身で、代々続く「船鍛冶(ふなかじ)」の家に生まれました。

刀を作る刀鍛冶や、農機具を作る野鍛冶(のかじ)のように、

荒波で船がバラバラになってしまわないように木と木をつなぐ金具を作る職人さんがいたんですね。

 

戦争がきっかけで香川に疎開してきた宇野さんですが、船鍛冶の技は覚えていたそうです。

元々、物づくりや彫刻などの芸術分野が好きだったために、家具そのものを作ったり、修理するのもお手の物。

それに一閑張の技を組み合わせて、宇野さんにしか作れない「一閑張」ができあがっています。

 

 

ひと通りの説明を聞いて、商品の品定めも終わってから、

工場内を案内していただきました!ワクワクしながら探検ですよー!

 

 

工場の中は大小さまざまな器具、機械や、材料となる木材などが置かれていました。

大きな木の板を切るための部屋、一閑張をほどこす部屋、加飾をする部屋などなど、

部屋は作業目的ごとにいくつかに分かれています。

 

一閑張の竹の骨も宇野さんの手作りなので、部屋の窓側にぶら下がった竹カゴもそのようです。

この写真だけでも雰囲気ありますね。

 

 

入り組んでいる工場のなか。

方向感覚がわからなくなりながら宇野さんについていきます〜。

 

 

一から家具を作ることもできますが、生活に合わなくなって使わなくなったり、傷んでしまった家具の修理や改良もしています。

素材が紙でも木でも鉄でも、なんでもご自身で作ってしまう宇野さん。伝統工芸士さんの枠におさまらない職人さんです。

書ききれない宇野さんのプロフィールは後日の記事で!

 

 

民芸城山さんが経てきた今までの歳月や現在のものづくりへの取り組み、こだわりをたくさん覗かせていただきました。

宇野さん、お忙しいなか対応してくださってありがとうございました!

一閑張はサン・クラッケでもお取り扱い中ですので、ぜひ見て触ってくださいね。

 

ノスタルジックな工場探索が探検みたいでとても楽しかったハスイでした。

次回はお昼ごはんとより道さきについての記事になりますー。

 

ハスイ