サヌキノススメ第7回 その3『朝倉彫刻店(欄間彫刻)』
いつもは食品の生産者さん1軒、伝統工芸士さん1軒におうかがいしている見学会。
なんと10月の見学会では伝統工芸士さんのお店を2軒見学しました!
それというのも『欄間彫刻』の伝統工芸士さん2軒が、とーーってもご近所だったため。
前回の見学会ブログでお伝えした「小比賀彫芸」さんから徒歩1分(もっと近いような気も)
「朝倉彫刻店」さんです!!
店名が入ったガラスサッシが目印。
中には伝統工芸士・理さんの息子さんが作った欄間や、準一さんが作った色々な木のお箸やボールペンなどが綺麗に並んでいます。
お店に入ってまず目の前には、理さん作のながーい欄間!
なるほど、欄間の大きさは各家庭ごとにちがっている・・・とはいえこの長さ。
「一体なんのために彫ったのか謎です」と準一さんはおっしゃっていましたが、
見事な技とその大きさは見ごたえありです!
こちらが作業場のひとつ。
奥側がお父さんの理さんのスペースで、手前が息子の準一さんのスペースとなっているようです。
食品メーカーさんも伝統工芸士さんも、時代の流れなど様々な理由で後継者がいないことが多いもの。
こうして親子で向かいあってものづくりをする光景はとっても貴重です。
朝倉彫刻店さんは明治元年に創業しましたが、
その当時は宮大工(神社や仏閣を建てたり補修する大工さん)を営んでいました。
4代目の善雄さんが手先が特に器用で彫ることに優れていたため、宮大工から欄間職人に。
こうして彫刻専門店となり、現在に至っています。
お父さんの理さんは5代目。息子の準一さんは6代目。
準一さんは「木」そのものに対する熱意と愛情にあふれた方で、もともとモノづくりも木も好きだったそう。
木を眺めていればご飯何杯でも食べられるというのも冗談ではなくマジな、木大好き彫刻師さんに
今回はご案内していただきました。
愛情の深さがよく分かるのが商品の「お箸」です。
朝倉彫刻店さんのホームページに掲載されているものだけでもざっと150種類は越えていて、
さらに形が三角から十角まで。長さも大人用2種類から子ども用まで。
大きな木材から切り出して、削って磨いて、全て朝倉さんが行います。
注目ポイントはお箸の先端。対になる2本とも太さが均一で美しい仕上がりに。
ヒノキ系、スギ系とおおまかな分類はされていて、同じスギでもどこが違うのかという疑問に朝倉彫刻店さんのホームページの事細かな解説で答えてくれますよ〜。
今では伐採禁止になっている貴重な木もたくさんあります。
工房は自宅を兼ねていて、廊下のつきあたりや丸々一室を使ってなど、いたるところに木が保管されています。
それも見た目からして全部違う木。
公私なく木とともに生活を送っているんですね。
溢れんばかりの木や職人としての熱意だけでなく、朝倉さんのすごいところがもう1つ。
もうひとつの作業場には所せましと機械が並んでいるのですが・・・
作業机も保管されている木も、整理整頓ばっちり!
この作業机もきっと手づくりされたのではないでしょうか。
「職人は作ってなんぼ」とおっしゃるとおり、自分のモノづくりの環境も作り上げているんですね。
朝倉彫刻店さんでもちょっとした体験をさせてもらいました。
彫刻刀をにぎって試しに彫ってみますが、やっぱり木が硬かったようです。
一度彫ってしまうと元に戻せないのが彫刻の世界。
ひとほり、ひとほり、慎重に。
こちらはお箸を削る機械。
お箸に「面」を作っていくのですが、木の種類やいくつ面をつくるかによって
当てる時間や力の入れ具合が違ってきます。
彫るよりカンタン!なんてことはなく、木は少なくとも150種類はあるわけで。
「欄間彫刻」は香川の伝統的工芸品でもあり、朝倉理さんは伝統工芸士でもあります。
ですが前回の小比賀彫芸さんの記事でも書かせていただいたように、
和風建築が減った昨今では欄間の注文はぐっと少なくなりました。
彫刻の技術を活かして仏像などの置物や、張子虎の「田井民芸」さんからの注文で虎の木型、
最近だとお客さんからの要望で木でポルシェを作ったそうです。
彫刻屋として、作れるものはなんでも作りたいと話す準一さん。
ものを「デザイン」することはできないので、まずはとにかくやってみる!のが信条とのこと。
こうして新たな文化や需要を取り込むことは、新しいお客さんと、欄間彫刻の新たな形につながるのではないかなと思いました。
準一さんの木トークと営業力はとどまることを知りません。
高松市片原町商店街から歩いてすぐのところにありますので、ぜひ覗いてみてくださいね。
店内のお箸の種類に圧倒されてください!
朝倉彫刻店さんのホームページはコチラ。
また、欄間彫刻の商品はサン・クラッケのオンラインショップで取り扱い中です。
オンラインショップのページはコチラ!
朝倉彫刻店さんのお隣のお店のオムライスも食べにいきたい、ハスイでした!
次回はお昼ごはんと休憩先についての記事ですー!
ハスイ