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サヌキノススメ第6回 その1『中橋造酢(仁尾酢)』

 

サン・クラッケで取り扱っている県産品の生産者さんを一般のお客さんと訪ねる

「サヌキノススメ見学会」!

毎月1回、サン・クラッケで取り扱っている食品、工芸品を作っている会社を見学させてもらい、

その内容をブログや動画などでアップ!

ラジオのコーナーも放送して、より香川の県産品を身近に感じてもらおう!!!

という4月から始まったこの企画も折り返し地点?の9月で6回目になりました~。

 

9月になっても暑い日が続いていたのですが、見学会の日もそこそこ暑かったです。日差しがきびしい!

 

では今回の行き先を、見学会恒例の手描きしおりでご紹介。

 

 

どちらも香川の西、三豊市です。

午前中はお酢を作って数百年!仁尾酢でおなじみ中橋造酢(なかはしぞうす)さんへお邪魔してきました〜!

 

まずはお酢をしこむ作業場から。

元は酒屋さんの蔵だったところを買い取ったとのこと。築百年は越えていそうな建築物でした。

 

 

中橋造酢さんの目印はなんといってもこのレンガのえんとつ。

赤くて高くてカッコイイ!もちろん現役です!

 

三豊市にある仁尾(にお)はかつてお城があった城下町。

港は土佐藩(高知)の参勤交代に使われるなど、とても栄えていました。

 

初代となる中橋仁右衛門さんが丸亀藩主に命じられ、仁尾でお酢造りをはじめました。

その時代は丸亀藩の許しがなければお酢やお醤油などを作ってはいけませんでしたが、

仁尾港は交通の要所として栄えていたので、中橋さんのところ以外にもお酒やお醤油、お酢の醸造場がありました。

 

しかし今、お酢を1から手作業で作っているのは仁尾どころか香川では2軒のみ。

こちらの中橋造酢さんと高松にある神崎屋さんだけです。

 

 

案内してくださったのは11代目の中橋康一さんと、奥様の登美子さん。

康一さんは学生のころからお酢作りに関わってきました。

 

まずは工場をひと通り見学しながらお話を聞いていきます。

 

 

お酢は原料が何になるかでいくつか種類が分かれるのですが、

中橋さんのお酢は主原料がお米の『米酢(よねず)』

 

というわけで、中橋さんのお酢造りはお米でお酒をつくるところから始まります!

お酢って途中まではお酒と同じ作り方なんですよ~。

(お酒を搾ってしまうと許可がいるので、搾る前の「もろみ」を使用しています)

 

 

お酒は2年に1度くらい作ります。

お酒作りのときにお米を炊く以外にも、お酢のしこみに使うお湯を沸かす必要があるのですが

そこで使うのがこの大きな釜。

 

 

画像だとわかりづらいですが、地面に埋まった状態です。

火を起こす場所はというと。

 

 

ひっそりとある階段下に!燃料は材木です。

 

 

長く燃え続けるけれど温度があまり上がらない角材や、

 

 

2束が5分くらいで燃え尽きるけれどすぐ温度が上がる薄めの木材。

縁のある近所の材木屋さんから譲ってもらっているそう。

これらを投入して燃やし、地下にある煙の通り道をとおって、

 

 

仁尾酢のシンボル、赤いえんとつから煙が出ていくわけです!

 

このえんとつ、昔はもっと高かったそうです。

1946年の南海地震で高松も震度5を記録したとき3~4mくずれ、今の高さに。

1995年の阪神大震災ではヒビが入ってしまい、ステンレスで補強しました。

 

その昔は漁師さんが赤えんとつを目印にしていたのだとか。

康一さんは、本当かどうかわからんな~と話されていましたが、周囲に高い建物もありませんのでありえるのでは・・・!

 

 

さらに奥に入ると発酵中、熟成中のお酢が入った杉樽がズラリと並んでいます。

お酢の匂いでいっぱい!

 

ここは1年に1度行われる「仁尾八朔人形まつり」のときは突き当りの出入口が開放され、

自由に通りぬけができる場所になります。

 

 

杉樽にワラをぐるぐると巻いているのは保温のため。

今は上下があいていますが、冬になると杉樽を隠すことなく巻いてしまいます。

お酢の一番の弱点は寒さ。でも暑すぎてもダメ。

人体と同じくらいの温度が菌にとっても一番いいそうです。

 

万が一、種酢にふくまれている「酢酸菌」がみんな死んでしまうともう二度と仁尾酢は作れません!

ですので、気温管理や菌の様子を見ることは本当に大事な作業になります。

 

 

はしごで杉樽の中をのぞかせていただきました!

 

酢酸菌はお酒に含まれているアルコールを食べます。

アルコールの発酵はだいたい2、3ヶ月。

アルコール(食料)がなくなってしまっても菌が死ぬので、そうなる前に菌を洗面器などですくって別の杉樽へ移植させます。

 

 

こちらが菌が膜を張っている状態。

まさか杉樽の中がこんなことになっているとは・・・。

ちなみに上に手をかざすと暖かさを感じました。絶賛発酵中ですね!

 

 

仁尾酢に三豊の新鮮フルーツを漬けて砂糖を加えた「フルーツDE酢」という商品も作っています。

水やソーダに割って飲んだり、ドレッシングがわりにサラダにかけたり、用途はいろいろ。

 

 

その季節の旬なフルーツを選んでいるので売り切れゴメンまた次のシーズンに!

といったひと季節のみの種類もありますが、約20種類のバリエーションがある楽しいお酢です。

息子さんが小6のときに描いたイラストも記憶に残りますね〜。

 

 

「イチジクDE酢」は作業場の中庭にあるイチジクを使っています。

この生い茂っている木はイチジクです。大きいです。

こちらのイチジクこう見えて1本の木だとか実は2本だとか。どちらにしても大きい!!

 

 

中橋さんの商品の販売所や事務所は、作業場からまっすぐ歩いて3分くらいの場所にあります。

これまたレトロで雰囲気のある建物です。

 

 

お願いをして製品前の「フルーツDE酢」を見せていただきました!

 

 

漬けているのはボイセンベリー。もちろん三豊産。

 

後ろにちょこんと見えているのがジャム。

「フルーツDE酢」に使ったフルーツから、康一さんの奥様やお母さんが手作業でつくります。

例えばビワだと種をはずして薄皮をとってからジャムに加工。なかでもボイセンベリーは種が小さいうえに多いので大変です。

ジャム作り中はご自宅が甘い匂いでいっぱいになるのだとか。

 

まろやかな仁尾酢に漬けられていた果物ですので、酸味と果物の甘みのバランスが絶妙。

ハスイは柿のジャムを食べたのですが、とても、好きです!ジャムだけで食べても次から次に食べたくなる中毒性がありました。

ヨーグルトやカナッペに合うのではないかとハスイの周囲からのご意見も!

 

 

材木屋さんや地元農家さんなど、近隣の事業者さんで助け合いながら歴史ある仁尾酢を守る。
その伝統を守りながらも、野菜の摂取量がとっても少ない香川県民に向けてフルーツのお酢をつくる。
使った果物も余すところなく利用する。

なるほど〜!と思う工夫がいっぱいでした。

 

中橋造酢さん、お忙しいところひとつひとつ丁寧に説明してくださってありがとうございました!

中橋造酢さんのホームページはこちら

 

中橋さん工場のように歴史ある建築物が残り、以前の建物のまま営業しているお店も多い仁尾。
仁尾の魅力は寄り道やお昼ごはんのブログ更新の回にめいっぱいお伝えいたします!

 

次回は午後にうかがった張子虎の「田井民芸」さんの記事です。

 

 

ハスイ