TOPICS

サヌキノススメ第10回 その4『讃岐かがり手まりと保存会について』

 

■手まりについて

 

古くは平安時代からあった「まり」。

宮中やお城のお姫様といった身分の高い方のための玩具でしたが、江戸時代に庶民に普及しはじめました。

家庭に広まった遊び道具としての手まりは、手に入れられる材料でお母さんやおばあさんが娘、孫のために作ったもの。

全国的に存在していた手まりですが、手まりの芯にそば殻を使ったり、ぜんまい殻を使ったりと、地域の環境ごとの特色があらわれています。

 

「讃岐かがり手まり」の大元になったのは、西讃(香川の西側)地域の手まりです。

江戸時代に讃岐国(現在の香川県)で多く作られていた「讃岐三白(さぬきさんぱく)」と呼ばれる3つの特産品ありました。

3つの白いもの。砂糖、塩、そして綿です。

西讃の三豊市豊浜はかつて「綿の町」と言われるほど綿栽培が盛んで、その土地柄から木綿糸を使った手まりを作っていました。

しかし、当時の手まりについての記録はほとんど残っていません。

手まりは生活にごく身近な遊び道具として、作り方や模様などは家族間で口伝で伝わってきたためです。

明治時代に入り、ゴムまりの普及によって衰退した木綿糸の手まりはそのまま途絶えるのかと思われました。

 

昭和40年(1965年)に開館した讃岐民芸館。

その設立に関わっていたのが荒木計雄(かずお)さんです。

計雄さんは『日常的な暮らしの中で使われてきた手仕事の日用品の中に「用の美」を見出し、活用する』という目的の民藝活動にも熱心で、焼物や漆などを含めた工芸品、民芸品全般を調べていましたが、

地元である西讃に存在していた木綿の手まりのことを知り、その調査と研究にのりだします。

このことが「讃岐かがり手まり」とその作り手である「讃岐かがり手まり保存会」さんの始まりでした。

 

■讃岐かがり手まりについて

 

計雄さんが調査をはじめたころにはすでに手まりを作れる人はいなかったそうです。

記録も残っていないため、人づてに家庭を訪ねたり、民藝運動から繋がった縁で「かがり技法」を学びました。

作り手をつとめたのは計雄さんの奥さんである荒木八重子さん。

愛媛県出身だった八重子さんの地元でも手まりづくりは盛んで、その作り方を子どものころにお母さんから教わっていました。

お2人の試行錯誤とそれを支えてきた方たちの協力で作り上げられた手まりは、

昭和52年(1977年)に「讃岐かがり手まり」と命名され、

10年後の昭和62年(1987年)には香川県の伝統的工芸品の指定を受けます。

その1人目の伝統工芸士には八重子さんが認定されました。

 

■讃岐かがり手まり保存会について

 

「讃岐かがり手まり」と命名されて6年後の昭和58年(1983年)、

計雄さんと八重子さんは観音寺市に「讃岐かがり手まり保存会」さんを立ち上げました。

讃岐かがり手まりが香川県の伝統的工芸品に指定されるとともに、当時から今に至るまで唯一の指定製造団体の認定も受けています。

現在は計雄さん、八重子さんご夫婦の息子さんのもとに嫁いできた荒木永子さんが今の保存会の代表です。

 

 

保存会の目的は名前の通り、讃岐かがり手まりを未来に保存していくこと。

讃岐かがり手まりを製作して販売をし、持ち主のもとで保存されることで残っていければと考えています。

ですが、単なるお土産ものとしてではなく、魅せ方をもっと考えることで讃岐かがり手まりを楽しく、そして面白く感じてもらえるのではないかと、永子さんたちはただ置いて飾るだけではない新たな価値を生み出しました。

 

たとえば15年ほど前に商品化したストラップ付きのとても小ぶりな手まりは、持ち物につけてそばに置いておくことが出来ます。

手まりの芯のなかに天然香料を入れることで香りをつけた「にほひ手まり」は、玄関先などに置いておくのもいいですし、桐箱から出してバラにしてから洋服タンスなどに転がしておくと、香りも付き、見た目にも楽しめます。

 

1つ1つ全てが手作業で作られる手まりの製作には時間がどうしてもかかります。

かかる時間の分、作り手さんを育成することで多くのお客さんからの需要に答え、讃岐かがり手まりを広めていくために、およそ4年前に作り手さんを募りました。

毎月ひとつの柄を課題にするなどの指導を始め、今では柄を新たに創作することも。

現在は約100人の作り手さんがおり、そのうちの数十名の作り手さんがかがった手まりが保存会運営スタッフさんの検品を通ったうえで商品として送り出されています。

 

■讃岐かがり手まりの作り方 〜草木染めの木綿糸〜

 

木綿糸は東京のお店から仕入れていますが、草木染めは保存会さんで行います。

ちなみに、以前は倉敷にあった木綿屋さんで買い求めていました。

 

 

木綿糸は柔らかさがあって触り心地がいいのですが、天然の着色料が定着しにくいという性質があるため、染める前の下準備として

大豆の煮汁(呉汁)に木綿糸を浸けて乾かします。

大豆に含まれるタンパク質が天然着色料を定着しやすくさせる効果があるためです。

上の画像の左が呉汁に浸ける前の木綿糸。右が呉汁を浸けたあとの木綿糸です。

 


それから色素をより鮮やかに見せ、色落ちしにくくさせる天然の媒染液に浸け、そのあと材料を煮だした草木染めします。

これを3セット繰り返して染めていきます。

同じ染料を使用して濃淡を分け、同時に3色の染色を行います。

 

 

染めた木綿糸は、色落ちのする紅花系の色以外は日差しで干します。

このとき糸をまんべんなく広げてさばき、乾きやすくします。

乾かす時間は季節や天候によって異なります。

 

草木染めの材料は手に入る身近な植物であれば保存会さんが採りにいきます。

自然物ならなんでも材料になるので、虫を使ったり、いろいろな植物で試作することも。

ですが植物はものによって退色の度合いや色落ちしやすいか、しにくいかが違ってきます。

正倉院に残っている染め物の材料であれば退色しにくく長持ちするのは間違いないため、参考にされています。

 

■讃岐かがり手まりの作り方 〜手まりの芯、かがり〜

 

手まりの芯作りは、薄紙でもみ殻を包むところから。もみ殻とはお米の皮のことです。

 

 

手まりのサイズによってもみ殻の量を変えて、薄紙でまるく包みます。

それを木綿糸を紙が見えなくなるまでぐるぐる巻きにします。

この木綿糸の色は作る手まりの色柄によって様々です。

 

土台になる芯まりができたら、模様をつくるための目印となる「柱」を立てます。

そして柱から柱へ糸をかがっていきます。

「かがる」とは糸をすくいあげながら縫うことを表しており、針を芯に刺して貫通させ、これを糸の色を変えながら繰り返し繰り返し行います。

糸の太さは糸を1本取りにしたり、2本取りにしたりと、どんな模様、雰囲気に仕上げたいかで変えます。

1本取りの糸で完成した手まりは繊細な雰囲気になり、2本取りの糸の手まりは模様が際立ちます。

玉結びは芯のもみ殻に刺して隠し、どこが糸の起点だったのか全く分からない美しい仕上がりです。

 

完成した讃岐かがり手まりには名前がつけられていますが、名前で技法と模様をあらわしているものも。

「桜交差」という手まりならば、桜の模様の、交差の技法で作られているということです。

模様や全体のイメージで名付けられているものもあり、それは新しく創作した模様の手まりであることが多いようです。

 

■讃岐かがり手まり保存会のこれから

 

 

手まりは子どもの遊び道具でした。

玩具とはいえ、家族や自分で作った唯一無二の模様、色の手まりは、かけがえの無いものだったのではないかと思います。

ですが、糸の手まりからゴムのまりへ、そして子どもたちの遊びの内容も変化していったように、時代とともに手まりの形も移り変わり、忘れられていきました。

それは悲しいことかもしれませんが、その時代にしか作れないものがあると荒木永子さんはお話されています。

 

約15年前に商品化されたストラップサイズの手まりも、香りつきの手まりも、昔にはなかったもの。

それらの大元になった普通のサイズの手まりを手にとってもらうための入り口に、という願いもこめられて作られました。

昔から続いてきたものの途絶えていた讃岐の手まりを荒木計雄さん、八重子さんたちが調査を重ねて形にし、材料や作り方を伝承しながら新たな形を永子さんたちは生み出してきました。

何もないところから全てを生み出していくという基本は変えず、今の時代をいきる作り手さんたちの想像と技によって、讃岐かがり手まりは昔にはなかった新たな広がりをみせています。

こうしていつか次にバトンタッチ できるように基板を作りながら、讃岐かがり手まり保存会さんはこれからも活動を続けていきます。

過去、現在、未来まで見すえながら物づくりをしていく皆さんの姿勢には大きなパワーを感じました。

ひとつの工芸品にもたくさんの可能性が秘められているのだということに、勇気づけられる思いです。

 

 

ハスイ

 

サヌキノススメ第10回 その3『田村久つわ堂総本店②、西の丸ホテル②、クリームファクトリー』

 

サヌキノススメ見学会は1日かけての企画です。

より道、お昼ごはん先も大事な行き先、楽しみのひとつ。

 

田村久つわ堂総本店さんと西の丸ホテルさんは10月の見学会でも立ち寄っているのですが、

10月に田村久つわ堂さんで昼食→今回は瓦せんべい見学に、

10月に西の丸ホテルさんでより道(買い物)→今回はお昼ごはん目的で行ってきましたよー!

 

※前回のブログはコチラからご覧くださいませ

 

 

まずは「田村久つわ堂総本店」さん。讃岐かがり手まり保存会さんへ向かう前に立ち寄らせていただきました。

瓦せんべいでもおなじみのこちらは高松三越の手前にあり、2階3階は喫茶スペースに。

1階ではお菓子の販売と製造をしています。

 

 

今回見学させてもらったのは「瓦せんべい」の製造です。

田村久つわ堂総本店さんではおよそ140年ほど前から瓦せんべいを焼き始めました。

「瓦せんべい」そのものの起源や由来はいろいろあるそうですが、歴史ある郷土菓子のひとつになっています。

 

 

使うのは2〜3日寝かした生地。

生地には卵が入っていないので堅くしまったおせんべいになるのですが、

白下糖とよばれるお砂糖を入れることで、口にいれると溶けて柔らかくなるので食べだすとやみつきに!

瓦せんべいの食感のヒミツは白下糖に隠されていたんですね。

 

 

瓦せんべいのキモになるこちらの「白下糖」はさぬき市津田町の山田さんが作ったもの。

ちょうど12月末頃に精製された新モノの白下糖を味見させてもらうと、濃厚で香ばしい甘さが。

 

エネルギーが満ちている初物を食べると長生きすると言われていますし、この後にうかがった地濱水産さんの海苔も新モノだったのでこの日は寿命の増す1日になった・・・はずです!

貴重な物をありがとうございます!

 

 

見る、食べるだけでなく、焼いている瓦せんべいをひっくり返す体験もしてきました!

 

製造を担当されている浅田さん、児玉さん、古市さんは勤めだして20年以上のベテラン職人。

すいすいと作業をこなされているので簡単かと思いきや、当然そんなはずもなく・・・。

まだやわらかい瓦せんべいを狭いスペース内にひっくり返すのは難しく、

隣の瓦せんべいにかぶってしまったり、めくれたりもしましたが、そのたびに修正をしてなんとか完遂!

 

 

焼き途中の瓦せんべいもそうですが、できたてアツアツの瓦せんべいもフニャンとやわらか。

あっという間に堅くなってしまうのでお熱いうちにいただきました。

もちっとした歯ごたえの瓦せんべいを食べることができるのは見学時のほんの十数秒だけ!

熱くても美味しい、冷めても美味しい、瓦せんべい。

 

 

締めはこの見学会で一番最初のお買いものタイムです。

味だけでなく形や色、食感が違うたくさんの種類のあるおせんべいが置いてありますが、全て3人の製造担当さんが作っています。

試食やスタッフさんにご相談しながらの品定め、楽しかったですよ〜。

 

今回は瓦せんべい作りを見学させていただきましたが、日によって別のおせんべいを作っているそうです。

作業スペース見学には事前予約が必要ですが、通路と隣接している作業スペースには大きなガラス窓がありますので、窓ごしに見ることもできちゃいますよ。

だいたい平日の午前中だと作業されてると思います。

 

 

ドーンと巨大な瓦せんべいを見ることができるのは田村久つわ堂総本店さんだけ!

これより小さい瓦せんべいは数種サン・クラッケでもお取り扱いさせていただいております〜。

ご自宅用におみやげ用にぜひどうぞ。

田村久つわ堂総本店のみなさま、親切に対応してくださってありがとうございました!

 

讃岐かがり手まり保存会さんの見学のあとはお昼ごはんへ。

歩くこと約3分。高松駅近くの「西の丸ホテル」さんに到着でーす。

 

 

去年オープンした「西の丸ホテル」さん。レトロでおしゃれなインテリアが素敵です。

雑誌や本がたくさん置いているのでくつろげますし、ランチタイム営業もされているのでお昼にもオススメですよ。

 

 

お店は店長の茜さんがお一人で切り盛りされています。

「西の丸ホテル」の由来ですが、お店の所在地が西の丸町で、なおかつ茜さんの名前にも「西」が隠れていますよね!

店名に“ホテル”と付いているのは以前この建物がホテルだったため。

今も数軒残っているのですが、このあたりはもっと宿泊施設が多かったそうです。開発に伴う区画整理があり、現在に至っています。

 

 

兎にも角にも、見学時のメニューを見ながらランチをどれにするかシンキングタイム。

では見学会恒例のお昼ごはんギャラリーをどうぞ!!

 

 

こちらがおにぎりプレート。

大きなおにぎりが食欲をそそります!

おかずはちょっと濃い目の味付け。でもお野菜が多くてヘルシーです。

 

 

そしてキッシュランチ!

その日や季節によって種類が変わります。

焼き菓子を得意とする茜さん。サクサク生地のキッシュは一度ご賞味ください。

 

 

最後に気まぐれカレー。この日はひよこ豆入りでした。

ご飯にちょこんとのっているのはお漬物(ピクルス)です。

どんぶりのような器に入って出てきたので見た目より量がありますよ〜。

 

 

こちらは別の日にお邪魔したときに注文したチョコムースケーキ(新作)とホットチョコレート!

ランチメニューのほかにも旬の果物、食材を使ったケーキやタルトを取り揃えてあるほか、

クッキーやビスケットといった焼き菓子も充実しています。

 

 

お菓子づくりを本格的に始める前から料理本を読むのが好きだったという茜さん。

本の知識と今までの経験、試行錯誤を積み重ねて、シーズンごとに新作がどんどん増えています。

お客さんからのリクエストで作られた、アレルギーを持っている方のための米粉クッキーも好評です。

 

 

高松駅、ことでん高松築港駅の間にある西の丸ホテルさん。

このあたりは似たような路地が多いので、ホテル万喜屋さんの看板を目印にするとわかりやすいかと思います。

 

 

おだやかで、それでいて芯のある西の丸ホテルさんのメニュー!

サン・クラッケでも一部の焼き菓子を取りそろえておりますよ〜。

茜さん、おいしいごはんをごちそうさまでした。ありがとうございました!

 

西の丸ホテルさんのフェイスブックはコチラになっています。

 

 

地濱水産さんの見学が終わり、解散前にこちらに立ち寄らせていただきました。

シュークリームの量り売りをされている「クリームファクトリー」さん!

2010年3月1日にオープンしてから5周年!

兵庫町商店街アーケードから歩いてすぐのところ、高松街ナカにお店を構えています。

 

 

季節限定のクリーム以外にも、定番クリームが数種類。

定番のカスタードは押さえたいところですが変わり種も気になります!

こうして私や参加者さん、どれにするか迷いに迷いました。お騒がせしました・・・。

 

 

カウンターの向こうで実際にシュークリームを焼いていらっしゃいます!

量り売りではなく個数売りもしてくれますので、迷った時は店員さんにご相談を。

 

 

私はカスタードと季節限定の「おいも」を注文!

が、全部1個ずつでも頼めばよかったとあとでちょっと後悔しました。

初めて食べるシュークリーム専門店さんのシュークリーム、本当においしかったんです。

 

 

皮はしっかりと厚め。食べるとサクッとしていてクリームたっぷり。

くどすぎず甘すぎずなカスタードも、風味がしっかり味わえるおいもクリームにもぴったりとはまる絶妙なシュー皮でした。

例によってすぐに食べきってしまったため、シュークリームの中身が見える写真がありません!申し訳ありません。

ぜひお買い求めのうえ、シュー皮の食感とクリームのハーモニーをお楽しみください。

 

クリームファクトリーさん、とつぜんの訪問にも関わらず 本当にありがとうございました!

 

見学会を通じて調べることで、知らなかったお店にたくさん出会えて楽しいおいしい、ハスイでした!

次回は讃岐かがり手まり保存会さんについての詳細ブログになります。

 

ハスイ

 

【ラジオ】サヌキノススメ in タカマツシティリミッツ 第12回(3月24日放送分)

FM815(FM高松)で毎週火曜日に生放送されている「タカマツシティリミッツ」。

毎月第4週は「サヌキノススメ」コーナー。

 

第12回は3月24日に生放送。

今回も前回に引き続き香川漆器がテーマ。

中田漆木の中田陽平さんをゲストにお迎えしてお話を伺いました。

 

1年間続いてきた「サヌキノススメ」は今回で一旦最終回。

担当のはっしーことハスイさん、本当にお疲れさまでした!!

 

放送は以下からお聞きいただけます!

(約25分のコーナーを4分割しております)

 

サヌキノススメinシティリミッツ 第12回(3月24日放送分)その1

 

サヌキノススメinシティリミッツ 第12回(3月24日放送分)その2

 

サヌキノススメinシティリミッツ 第12回(3月24日放送分)その3

 

サヌキノススメinシティリミッツ 第12回(3月24日放送分)その4

 

サヌキノススメ第10回 その2『地濱水産(海苔)』

 

お昼ごはんを食べたあとは浜ノ町へ。

高松市中心部からちょっーと離れただけで海が広がり、漁船が並んでおります!

 

高松市中央卸市場も近いここ一帯には、「いただきさん」と呼ばれる荷台付きの自転車で魚の行商をする方たちも住んでいます。

近所の市場から仕入れた魚をすぐに販売しているから新鮮なんですね〜。

 

 

地濱水産さんの工場は海のすぐお隣。

それもそのはず。地濱水産さんは「海苔養殖」を仕事にしているんです。

香川県はなんと海苔の生産量全国5位の海苔の産地!!(平成24年度時点)

香川で生まれ育っているのにこのことを打ち合わせのときに初めて知りました。今も100軒以上の生産者さんがいるそうですよ。

 

地濱水産さんに到着すると、さっそく船のほうに案内してくれました。

 

 

黒々とした海苔がたっぷりと!

養殖網を船の上まで持ってきて、海苔をカット!そのまま船にのせて収穫するそうです。

豪快です。

 

 

地濱さんの船着き場から見える瀬戸内海。あの白い点々が地濱さんの養殖場のひとつですよ。

 

ちなみに海苔の収穫時期はちょうど12月ごろから。

見学当時は新ノリの時期にドンピシャ!

忙しさのピークのなか、地濱さん本当にありがとうございます!

 

 

船にあった海苔は足元にあるオレンジ色のパイプを通ってタンクへ。ゴミが取り除かれたり、加工しやすいように細かくされていきます。

実際に加工されるのはその翌日。獲れたて新鮮なうちに加工されます。

 

午前中のうちに準備作業は終わっていたので、午後にお邪魔した見学会では海苔の加工を見せていただきました〜。

 

では地濱水産さんのホームページの画像をお借りしながら、海苔ができるまでをカンタンにご紹介します。

 

 

地濱水産さんは昭和61年に創業。現在は2代目の地濱秀生さんが後を継いでいます。

創業者は秀生さんのお父さんで、三豊市詫間で海苔養殖をしていた叔父さんからノウハウを学び、数人の仲間と共にこの浜ノ町では初めて海苔養殖を始めた方。

今、浜ノ町にある10軒ほどある海苔生産者さんの先駆けなのです。

 

 

こちらが2代目の秀生さんです。

そして後ろに見えるのが海苔を入れておくタンクのひとつ。こうしたタンクは5つあるのだそう。

 

 

秀生さんは中学校卒業後から海苔養殖を本格的にはじめてウン十年。

正確には小学生のときから冬休みには海苔づくりを手伝っていたのだとか。

今も職人として真摯に海苔作りをされています。優しくてお話しやすい方でした!

 

 

海辺から歩いて約30秒。いざ、工場の中へ。

 

 

中に響く機械の運転音!

音の発生源は、工場の天井ギリギリまでぴったりとはまっているこの大きな機械です。

 

 

海苔の乾燥機!!

3時間半ほどをかけて乾燥された海苔が次々に流れていきます。

工程はすでに最後のほう。こうして1日に7〜8万枚の海苔が作られます。

 

 

昨日まで海の中にあった海苔がもう食べられるまでになるなんてスピーディですよね。

これは地濱水産さんだからできること。

漁協を通して別の加工会社に運んだりするとそれだけでも時間がかかり、商品として市場で販売されるまで間が空いてしまいます。

養殖、収穫、加工、販売まで一貫して行えることが地濱さんの一番の強み!

 

 

食い入るように海苔乾燥機を見つめる参加者さんとサン・クラッケスタッフ。

この海苔たち複雑な動きをしておりまして、下のレーンで左から右に流れたと思えば上のレーンに出てきたり。

こんなに大きな機械も、海苔が流れていく光景も見たことがなかったので、けっこうな時間眺めていました。

 

 

海苔たちが最終的にどこに行くかといいますと、このレーンが伸びた先に答えがあります。

 

 

海苔を待ち構えている女性スタッフさん!

 

 

最終チェックは人の目で。

海苔に付着物がないか、破れていないかなどをしっかり確認します。

 

 

そして束にされていきます。

この機械もとっても賢くて、同じ枚数の束を作ってまとめ、順々に整列させていくんです。

機械を観察するのも楽しいです。素晴らしきかな日本の技術。

 

 

新ノリ、もちろんごちそうになりましたー!

レーンに流れてきた海苔を秀生さんが取ってくださって、ストーブでちょっと温めてパクリ。

味付けナシでも塩の香りがしました!口の中で溶ける!この食感は新ノリならでは。

 

 

工場から少し離れた場所、同じ浜ノ町に直売所「海苔ギャラリーちはま」さんはあります。

工場見学のあとはこちらへ移動し、秀生さんの奥様で広報や販売などを担当している美保さんにお話をお聞きしました。

 

 

香川県には海苔養殖業者さんがおよそ100軒あって、浜ノ町以外だと小豆島や志度、丸亀などでも養殖されています。

香川県だけでも海苔の生産量は年々落ちており、2000年には9億7900万あった生産量は、

去年で3億5500万までに減りました。

 

通常なら12月中旬から3月ごろまで続く海苔の収穫が、海苔の色落ちが1月に始まって早々に収穫が終わってしまうことがここ十数年で起きています。

さらに海苔の消費量が減ったことも生産量低下の原因です。

 

 

まずは香川県に住む人に香川は海苔生産量全国5位だと知ってもらい、地産地消をうながすことから!

いい海苔を作るのはもちろんとして、

美保さんは商品説明の紙を用意したりイベントで広報をして認知度向上に努めています。

 

海苔ギャラリーちはまさんではおみやげ用にパック新海苔や、ビニール袋にどっさり入った生海苔をお買い上げ。

実際に船に積まれた海苔や工場を見て、美保さんたちのお話を聞くとこの時期にしか食べられない新ノリをすごく食べたくなったんです。

うどんだけじゃない香川県!

瀬戸内海で育まれた栄養たっぷりの海苔をぜひご賞味あれ!

 

地濱水産さん、1年で最も忙しいであろう時期に見学させてくださったうえ、ラジオにも出演して下さり、本当にありがとうございました。

地濱水産さんのホームページはコチラ

地濱美保さんにゲストに来ていただいた時の音源はコチラからお聴きくださいませ!

 

ちょっと時間が経った海苔はお湯で戻して佃煮にして食べるという方法が目からウロコだったハスイでした。

自宅用に買った新ノリはぱりぱりぱりぱり、すぐに完食したので佃煮は今度試してみます〜!

 

まだまだ語りきれない海苔や地濱水産さんについては、後日の詳細ブログの更新をお待ちください。

次回はお昼ごはんとより道先についての記事になります。

 

ハスイ

 

サヌキノススメ第10回 その1『讃岐かがり手まり(讃岐かがり手まり保存会)』

 

サン・クラッケで取り扱っている県産品の生産者さんを一般のお客さんと訪ねる

「サヌキノススメ見学会」!

毎月1回、サン・クラッケで取り扱っている食品、工芸品を作っている会社を見学させてもらい、

その内容をブログや動画などでアップ!

ラジオのコーナーも放送して、より香川の県産品を身近に感じてもらおう!!!

 

という2014年4月から始まったこの企画もついに2015年へ年またぎ!

キリがいい10回目にして、1月の見学先は高松市中心部のコチラ。

 

 

午前中は兵庫町にある「讃岐かがり手まり保存会」さんへ〜。

「讃岐かがり手まり保存会」さんは名前の通り、讃岐かがり手まりを作っています。

 

 

香川県の伝統的工芸品「讃岐かがり手まり」は、

もみがらを薄紙でくるんで芯を作り、草木染めをした木綿の糸で幾何学模様を「かがって」いく工芸品です。

糸を芯に刺して、糸をすくいながら縫うのですが、それを「かがる」と表現するんだとか。

模様と色の組み合わせで手まりの種類は無限に広がります。

 

見学先の保存会さんは、兵庫町商店街アーケード沿いの道を外れて細い路地に入ったところにあります。

まるで隠れ家のような場所に・・・。

 

 

本当にここなの?と参加者さんはおっしゃっていましたが、

 

 

本当にココですとも!銅の看板が目印です。

ちなみに保存会さん、片原町には2014年の8月にお引っ越しされてきました。

 

 

中は白を基調にしたオシャレな雰囲気。

家具やら小物やらすべてがかわいくて、打ち合わせの時に初めておじゃましたときはテンションあがりました!

 

 

この画像はクリスマス前に打ち合わせのときに撮影させていただいたものです。

小物との組み合わせを考えるのも楽しそうですね。

 

『好きなモノをそばに置いて生活すると気持ちが豊かになる』とは

讃岐かがり手まり保存会代表にして、讃岐かがり手まりの伝統工芸士さんである荒木永子さんのことば。

自分好みの素敵なものに囲まれていると、何事もモチベーションが上がりますよね〜。

 

 

お忙しいなか、保存会の代表で讃岐かがり手まり伝統工芸士の荒木永子さん(写真右)や保存会メンバーの明石さん(写真右)のほか、

保存会のつくり手のみなさんで対応してくださいました。

 

 

桜茶までご用意してくださって、お心遣いとてもうれしかったです!ありがとうございました。

1月の寒い時期だったので心も身体もあったかーくなりました。

 

 

春を感じる桜茶をいただきながら、

まずは保存会さんや讃岐かがり手まりの工程についてのお話や、質疑応答タイム。

讃岐かがり手まりを調査して保存会を設立した永子さんの義理のお父さん、お母さんのお話等々もお聞きしました。

くわしくは後日の詳細ブログにまとめますのでお待ちくださいませ。

 

さて。保存会さんで行っている作業は、なんと讃岐かがり手まりに使われる木綿糸を草木染めするところから。

棚には色味がそれぞれに違う木綿糸が並んでいます。

ケースごとに別の色が入っていて、その数およそ120!

 

 

鮮やかに発色しているこの木綿糸も草木染めなのです。

今回は木綿糸を草木染めする作業から見せていただきました!

 

木綿糸は天然の染料だけだと染まりにくいため、まずは大豆の煮汁につけて下準備。

大豆の煮汁である呉汁(ごじる)にふくまれているタンパク質で染料を定着させやすくするそうです。

 

そのあとは媒染(ばいせん) という、さらに天然染料をはっきりと発色させるための作業へ。

 

 

鉄の棒に木綿糸を引っかけて、

媒染の液に浸して、しばらくしたら出して、染料の液に浸して、出して、触媒の液に浸して、を何度か繰り返します。

使っているナベと言い、まるでカラフルなおそうめんを茹でているみたいですね〜。

 

 

鉄の棒さばきが決まっていたのが、染色作業を主に行っている藤本さん。

染料の材料になる植物の種類や分量を変えて様々な色を作るのですが、そのレシピ作りは明石さんがされているそうです。

どうしても染まりにくい色や植物もあるとお聞きしました。

120色ものバリエーションを揃えることは簡単なことではなかったと思います。

 

 

染めたあとの糸は2階のベランダで干します。見学のときにあらかじめ乾かされていたのがこちらの糸。

見た目は普通のお家のベランダにこうして木綿糸を干してあると不思議な感じがしますね〜。

 

 

保存会メンバーの方達が手まりをかがる作業も見学させてもらいましたよ!

 

と、その前に手まりは何で出来ているのかご存知ですか?

もちろん木綿糸は欠かせませんが、手まりの中身が何なのか・・・。

 

 

ずばり、もみ殻です!

 

 

薄い紙でもみ殻をまあるく包んで、

 

 

紙が完全に見えなくなるまで木綿糸でぐるぐる巻きに。

 

つくり手さんはササッと作っていましたが、確かな技術が必要なすごいことだと思うんです。

まず私がやると形が崩れて歪になりますね!

 

 

出来上がっていた別の芯に針を通させてもらいました。

針で刺すとサクッともみ殻の音がするんですが、その感触と音が気持ちいい!

力はほとんど必要なく、スーッと芯まりの中に吸い込まれていく感覚です。

 

 

土台となる芯を作ったあとは、いよいよ模様をかがっていきます。

まち針を刺して基準となる点を作り、手まりを均等に分割するように糸を渡してやります。

 

 

模様ごとに一定の規則に沿ってかがっていくことで、美しい模様や可愛い模様が生まれていきます。

 

 

ひと針ひと針、時間をかけてかがっていく作業は地道です。

それだけ1つの手まりにじっくり向き合うので、作り手さんの愛情もより一層深くなるそうです。

 

 

木綿糸の色や模様の組み合わせで無限の可能性がある讃岐かがり手まり。

これだ!とビビッとくる手まりとは一期一会かもしれません。いえ、本当に!

 

大きな手まり、手のひらサイズの手まりのほか、

実用的な商品として芯のもみ殻の中に天然の香木も入れた「にほひ手まり」や、身につけられる「手まりストラップ」といった商品も製作しています。

お気に入りの手まりをみつけて、ぜひ生活に彩りをそえてください。

 

 

讃岐かがり手まり保存会のみなさん、ご多忙のなかお時間を作ってくださって本当にありがとうございました!

作業もひと通り見せていただけてわかりやすかったです。

 

見学会では手まり作り体験はしませんでしたが、保存会さんではリビング高松カルチャーセンターさん等で教室を開いていますよ。

見るだけ買うだけじゃなく、作ってみたい方は多いはず!

コチラの讃岐かがり手まり保存会さんのホームページを要チェックです。

 

絶対になくしたくないカギといっしょに、絶対になくしたくない手まりストラップを付けて二重の効果をもたせているハスイでした。扱いがすごく慎重になりますよ!

次回は地濱水産さんのブログになります。

 

ハスイ

 

1 / 3123